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第44話 かくれんぼサークルの実態③

Penulis: 霞花怜
last update Terakhir Diperbarui: 2025-06-29 19:00:01

「このメッセを最後に、大和とは連絡取れなくなって。返信ない時点で、祐里と凌にも行かない方がいいって話したけど、大和に会えるかもしれないからって、参加して。俺もnormal組で参加したけど、大和もいないし、祐里にも凌にも、会えなくて」

 真野が自分の手を、ぎゅっと握り込んだ。

「それで結局、三人ともかくれんぼの後から連絡が取れなくなった。鈴木先輩に確認しても、全員帰したとしか、言わない。折笠先生にも相談しに行ったけど、ダメだと、思った」

 真野が微妙に視線を逸らした。

 戸惑いが浮かぶ真野の目には、隠し事の匂いが漂って見えた。

「……WOには、セクシャルな話題は付きものだし、ある意味で日常だから、気にせず話していいよ」

 真野が驚いた顔で理玖を見詰めた。

 やっぱり、そういう方面かと思った。

「onlyもotherも性交でフェロモンが落ち着くのは事実だ。その場合、相手はnormalでも問題ない。セフレはWOにとって、ある種の薬だ。normalの君には受け入れ難い事実かもしれないけど、WOの研究者にはセクシャルな話題はある程度、許容範囲だよ」

 世間一般的にセックスフレンドが社会で認められているかと言えば、答えはNoだ。

 日本の社会は特に、性に関して閉塞的で隠匿性が高い。

 WOの生態は、日本ではまだまだ生きづらい。

「……ちょっとは、知ってます。祐里が、そうだから。昔からフェロモンが多くて発情しやすくて、俺が時々、相手すると、落ち着いてた……」

 真野が赤い顔を隠しながら、小さな声で答えた。

 知らないながらも実体験でonlyの幼馴染の抑制剤になってやっていたのだろう。

 顔を見るに、それだけではなさそうにも思うが。

「折笠先生には、どうして相談できないって、思った

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